自動車保険にはふたつの種類があります。それは、自賠責保険と任意保険です。
自賠責保険は、交通事故の被害者が最低限の補償が受けられるように国で制定し全ての車両に加入を義務付けているので強制保険としてよく知られています。
自賠責保険では人身損害賠償だけを補償していて、慰謝料も補償内容に含まれています。
加害者が無保険と言っても、自賠責保険には契約しているはずなので自賠責保険分の慰謝料はまずは請求することが可能です。
そして、もうひとつの自動車保険である任意保険は、自賠責保険では補償が不足してしまう分を補う目的で契約する保険です。契約するかどうかは個人の判断により自由です。
交通事故に巻き込まれてしまい、相手である加害者が自賠責保険にしか契約していなかったケースでは任意保険については無保険となり、
加害者サイドから十分な賠償を受けられなくなってしまいます。
こうしたケースに備え、自動車保険には無保険車傷害補償という制度があります。
無保険車傷害補償とは
この無保険車傷害補償というのは、交通事故の相手が無保険あるいは保険に契約していても補償が少なく十分が補償が得られないという時に、
相手の保険に代えて自分の保険で補償が受けられるという内容です。
よって、交通事故の被害者の方が契約している自動車任意保険にこの無保険車傷害補償が付加されていれば、
加害者が自賠責保険にしか契約していなくて慰謝料など十分な賠償金が受け取れない時には変わりに自分の保険を使うことで正当な慰謝料を請求することができます。
ここで、自動車任意保険には等級という制度があって事故で保険を使うと翌年の保険料が高くなってしまう仕組みですが、
無保険車傷害補償特約については等級ノーカウント事故といって保険の適用を受けても等級には影響しないことになっています。