むち打ちは交通事故の怪我の中でもよく知られているものです。
むち打ちでは、事故の時に急停車などで大きな衝撃を受けて頚椎など骨格がずれたり歪むことで筋肉や靭帯の捻挫症状・神経が圧迫され起こる、しびれなどの神経症状・血行障害による頭痛や吐き気などのいろいろな症状が現れます。
また、交通事故直後よりも時間が経ってからの方が症状が酷くなるのもむち打ち症の特徴です。
むち打ちは病院や整骨院などどこに行けばいいか?
交通事故の後に辛い後遺症があり、病院の整形外科などを受診するとレントゲン検査があります。
このレントゲン検査ではむち打ち症を引き起こしている頚椎の骨格の歪みやずれは診断できないので、シップや痛み止めなどか処方されるケースが多くなります。シップには消炎・鎮痛の効果があります。
一方、整骨院や接骨院の中には、むち打ちはじめ交通事故の後遺症の治療を専門にしている治療院があります。
こうした整骨院や接骨院では、むち打ちの原因になっている頚椎などの骨格の歪みを矯正する施術がメインになります。
骨格のずれを矯正することで、筋肉や靭帯にかかる負担や神経・血管の圧迫が軽減されますのでそこから起こっている辛いむち打ちの症状が根本改善可能です。
しかし、当初から整骨院で治療し、ほとんど整形外科にかからずにいると、のちの後遺障害認定で不利になります。
後遺障害認定は、書面によって審査されます。大きな影響を及ぼすのが主治医の後遺障害診断書です。
それは医者しか出せないもので、整骨院では発行できません。整骨院などは柔道整復師であり医者ではないのです。
意見書のような書類を出すのは自由ですが、審査の場で考慮されることはほとんど期待できません。
後遺障害認定は、なかなかなされない、あるいは低い等級しか認定されない傾向にあります。
患者本人を診て認定するわけではないので、書類がすべてです。
医者の後遺障害診断書がないと、書類がそろっていないと見なされがちで、整形外科医の診断書があるケースより不利になります。
整形外科医の診断書があっても、妥当な認定がなされないで苦しんでいる被害者は大勢います。
整骨院に通うなら整形外科にも通い、後遺障害認定に備えておくべきです。
むち打ちの等級
交通事故によるむち打ちの場合にも、症状によっては後遺障害等級認定を受けることができます。
むち打ちの場合、後遺障害等級は12級あるいは14級が認定されます。
12級(局部に頑固な神経症状を残すもの)は他覚的所見により症状を医学的に証明できるものであり、
14級(局部に神経症状を残すもの)は受傷時の状況などから説明可能な症状であれば認定されます(ほとんどのむち打ちは14級が認定されます)。
後遺障害等級認定は弁護士にサポートを
むち打ちによる後遺障害等級認定は非常にハードルが高く、適切な後遺障害診断書でなければ、後遺障害等級認定を受けることが出来ないこともあります。
ですから、交通事故によるむち打ちでの後遺障害等級認定を受ける場合には、交通事故の案件を得意とした弁護士に相談したほうが確実と言えるでしょう。
むち打ちでも弁護士に相談を
交通事故のむちうちは、後遺障害認定が受けられないことがあります。軽傷とされやすく、弁護士に依頼すると費用倒れになるかもしれないからと、依頼するのをためらうケースも見られます。
しかし、被害者の加入している任意保険に弁護士費用特約がついている場合は、多くの場合、300万円まで費用が出ます。
これを使って弁護士に相談してみましょう。もし、そうした特約が使えなくても、交通事故の相談を無料で受けている弁護士事務所はたくさんあります。
相談してみて、費用倒れになりそうな場合は、事務所側からそう説明があります。
賠償金から十分弁護士費用が賄えそうなケースかもしれませんので、無料相談を利用してみることです。
加害者が任意保険に加入していた場合、事故直後から任意保険会社が間に入って万事手続きをします。
しかし、できれば任意保険会社任せにせず、自賠責の被害者請求に切り替えたほうが得策です。
任意保険会社任せにしていると、早い時期から症状固定を迫られたり、妥当な後遺障害認定が得られにくくなったりします。
むちうちでは後遺障害認定がなかなかなされないことが多く、その手続きについても、弁護士に相談するのが望ましいのです。
示談でも、自賠責基準や任意保険基準による低い額の提示がなされます。裁判基準で妥当な額の賠償を受けるには、弁護士に依頼することです。
そうしないで自分で交渉している限り、妥当な額で示談することは到底不可能です。