交通事故は弁護士と行政書士と司法書士の誰に相談するか?

交通事故の遭い、加害者との示談交渉や後遺障害等級認定の手続きなどを専門家に依頼する方もいるかと思います。

法律の専門家というと弁護士、行政書士、司法書士の名前が挙がると思いますが、弁護士に相談するのが最善です。

交通事故の処理で司法書士や行政書士よりも弁護士に任せた方が良い理由はまず弁護士法があります。

この法律にはざっくりと説明すると「法律問題に関連する交渉を行えるのはその問題の当事者か弁護士だけですよ」という条項が設けられているため、司法書士や行政書士では代理人として交渉をすることが出来ません。

交渉が出来ないとなると加害者・被害者間の交渉は自分か契約している保険会社に任せるかのどちらかしかなく、

保険会社が介入できない10:0の交通事故の場合には自分しか交渉が出来なくなります。

ちなみに10:0の交通事故で保険会社が交渉を行えないというのも弁護士法が関係していて、

保険会社は保険金を支払うことで「相手への損害賠償としてお金を払っているのだから保険会社も当事者です」という抜け穴を利用しているからです。

弁護士として認められていない当事者以外の人が法律に関連する交渉に参加するのは非弁行為という違法行為ですから、10:0の場合は保険会社に任せることができないわけです。

 

また、認定司法書士なら140万円までの金額なら交渉をすることが出来ますが、

司法書士の費用は弁護士よりも安いことが多く、事故でも軽い怪我や車の故障も少ない場合はいいかもしれませんが、裁判をする場合は簡易裁判所しか代理人になれません。

交通事故での賠償金は金額が高くなる事も多く、そのような場合は弁護士に頼むべきです。

 

弁護士は値段に関係なく示談行為が出来ますし、裁判を見据えた交渉をすることが出来ますので、強気の交渉が出来ます。

保険会社も弁護士相手だと、裁判が面倒ですので示談に応じる可能性もあります。

 

さて、交通事故において司法書士や行政書士よりも弁護士に依頼するべき理由はもう一つあり、それが単純な知識の問題です。

まずそもそも司法書士や行政書士とは何かと言うと、これは書類作成や手続きの代行、それらに関連する相談を請け負うことができるという国家資格です。

対して弁護士は法律に関連する紛争の解決や被疑者となった一般人の弁護を請け負える国家資格となっていますから、専門とするフィールドが異なります。

司法書士や行政書士は基本的に手続きや書類作成が仕事なわけですから交通事故に関連する判例や賠償金相場を逐一調べなくてはならないことが多いのに対し、弁護士の場合は職務経験上多くそれらの情報を有しているわけですから、こちらの方が有利と言えるのです。